記事実用性が高い行書体

印鑑書体としての草書体は、流れるようで優雅な印象もあり、女性にも向く書体です。
しかし、文字の省略など独特な用法が存在するために、文字ごとの省略方法などを知らなければ読むことが難しい書体でもあります。
つまり、可読性を考えれば、草書体は印鑑書体としてかなり難があるといえるわけです。

そこで、きっちりと書かれる楷書体と、省略しながらでも流れるような線を持つ草書体の中間として行書体が存在します。
篆書体の走り書きから生まれたとされています。
草書体ほどではないのですが、速記に向いているともされており、さらには草書体のように文字ごとの省略を知らなくても読むことができる利点があるわけです。
そのため、漢字さえ知っていれば、速記したものであっても誰にでも読むことができる書体なのです。

この行書体は、一般的な書道においても筆記体として浸透しており、小学校や中学校では、書道の授業で行書体を習うことになっています。
筆順の逆転や省略法を習うことが可能なため、発祥地である中国のみならず、日本でもなじみが深い書体なのです。
印鑑に使う際においても、草書体ほど難読ではなく、文字の省略も読める範囲での省略のため、実印や銀行印にとても向いている印鑑書体だといえるでしょう。

実印に使える書体ですから文字ごとの省略を知らなくても読むことができます。
そういった点で行書体は、印鑑書体として万能な書体ともいえるのです。
年賀状に印刷されることでよく登場する行書体ですが、最近では機械彫りの格安の印鑑でも見かけることもあり、それだけ生活の中に密着してきている書体というわけです。

行書体のもとになった、優雅な草書体