記事印鑑は書体がとても大切

印鑑を押すことによって残される印影は、印面に彫られた書体が美しければ美しいほど、とても綺麗な印影を残します。
印影には職人の腕がとても出るので、専門家が見るとその善し悪しは一目瞭然なのだそうです。
どんな種類の印鑑であっても、素人目で見ても綺麗な印影が彫られているものは、まるで芸術作品のように心底ほれぼれするような印鑑になるそうですし、正確な違いはわからずとも、他の一般的な印影との違いが感じられるのです。

では、印面に彫られる書体とは、一体どのようなものなのでしょう。

印鑑に使われる書体は、基本的に書の世界で使われるものになります。
これらはもちろん複製されては困りますが、とはいえ可読性が低すぎると印鑑としての証明能力が失われてしまいます。
そのため、印鑑を作る時には、古くから使われてきているバランスの取れた書体を使い、印面に刻んでいくのです。

印鑑に使われる書体には基本の形が6つ存在します。

篆書体という、古代中国で生まれた書体が印鑑では多く使われています。
この書体は6つの書体の中でも最も古く歴史があります。
他の5つの書体の基盤になった書体であり、他の書体に比べると可読性は低いですが、とても美しい文字を作ることができます。
筆が発達していた時代に作られた書体ではないために、やや直線的な文字ではありますが、とても複製されにくい書体で、100人の職人が彫れば100通りになるといわれるほど、同じ文字は出来上がらないといわれています。
他の書体も紹介すると、篆書体から効率性を考えて作られた隷書体や書道の基本となる楷書体、早く書くために正しい筆遣いや文字の省略までも考えられた草書体があります。

ちょっと異色な書体として、鋳造を考えて作られた古印体という書体も存在します。
鋳造時にきちんと流れ込んで、正確に文字が出るように考えられている書体になっています。

最後に印相体がありますが、書の世界で使われる書体ではなく、印鑑を作るために篆書体を日本で図案化しただけの書体であり、歴史的な価値としては印鑑に向いている書体とは言えません。

このように、1つの印鑑を作る上でも、様々な種類の書体について考える必要があるのです。
実印、銀行印、認印など、それぞれの印鑑の種類に応じて最適な書体を知ることも重要になってきます。

印鑑を作るうえでこだわりたい手彫りの印鑑書体